1984年

1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)

われわれは精神を支配しているからこそ物質も支配しているのだ。 現実というのは頭蓋骨の内部にしか存在しないのだよ。

非常に哲学的な文だが、ここには一つの真実が現れている。現実というものを俺は非常に重視しているが、果たしてそれは現実なのか。今の世の中だから「2たす2は4」と言えるが、それが言えない世界だと…
ある種国家の最終形態とでも言える全体主義国家であるオセアニア国の理論は打ち崩しがたいものだと感じました。国家と国民との関係、国際関係などについての描写も鋭く、身震いしてしまいます。現実というもののとらえ方を改めて意識させられた。俺自身も学校で周りの人を思い通りに動かすことができたりできなかったりするのだから、オブライエンのような人物も存在する気がしてくる。いやはや、恐ろしや。