ドイツ史10講

ドイツ史10講 (岩波新書)

ドイツ史10講 (岩波新書)

世界史を学ぶ上で非常に大切な地域であるドイツ。特に中世ヨーロッパ〜近代ヨーロッパは、英仏の封建関係とドイツを理解できれば、混乱しないですむだろう。そういう意味ではよいが、高校生には難解かも。これを読むなら普通に勉強したほうがいいかも。
おもしろかったです。もう一回読み直したい気分です。やはりW.W.1以降からの混乱の時代が難しい。

「大衆」と呼ぶのは労働者をさすのではなく、義務を知ることなく権利のみを主張し、平準化をこととして自己の要求を他にも強要し、それを暴力的に押し通そうとするような人間類型を指している。ファシズムやボリシェヴィズムをもたらしたのはこの「大衆人」である。

この一文にはズシンときた。自分がこういう認識を、どこかで抱えていたからだと思う。現在の民主主義の状況は、この状況に近いのではないか、そう考えてしまった。もちろんファシズムもボリシェヴィズムもないけれど。ヒトラーの出現時に「歯止め」の装置が欠如してしまっている。これは結構大事なのかなと思った。「沈黙の螺旋」と絡ませて考えると、おもしろい感じがした。