ドイツ史10講
- 作者: 坂井栄八郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/02/20
- メディア: 新書
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おもしろかったです。もう一回読み直したい気分です。やはりW.W.1以降からの混乱の時代が難しい。
「大衆」と呼ぶのは労働者をさすのではなく、義務を知ることなく権利のみを主張し、平準化をこととして自己の要求を他にも強要し、それを暴力的に押し通そうとするような人間類型を指している。ファシズムやボリシェヴィズムをもたらしたのはこの「大衆人」である。
この一文にはズシンときた。自分がこういう認識を、どこかで抱えていたからだと思う。現在の民主主義の状況は、この状況に近いのではないか、そう考えてしまった。もちろんファシズムもボリシェヴィズムもないけれど。ヒトラーの出現時に「歯止め」の装置が欠如してしまっている。これは結構大事なのかなと思った。「沈黙の螺旋」と絡ませて考えると、おもしろい感じがした。