桐島部活やめるってよ
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2013/02/15
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勉強もできてスポーツ万能、スクールカーストの高い「桐島」が部活をやめることからストーリーが始まる。それに振り回される友人、チームメイト、彼女、彼女の友人、などなど。一方それに振り回されない前田。スクールカーストは低いかもしれないが、自分の好きなことに打ち込む。迷い続ける菊池。実際の学校にありがちな(もちろん極端だけど)クラス設定から、それぞれを描く。学校の様子などは非常にわかりやすく共感できるのではないかと思った。
学校というのは1つの閉じられた社会、けど子どもたちにとってはそれしかない社会。これを「他にもあるし」と思えれば強いんだけど、そこに固執してしまう。それなのに「桐島」がいなくなり、みんなは混乱していく。
わからないけど、考えたのが、「価値をどこに置くか」というのが良く描かれている気がした。ある意味「桐島」は、他人から見てたくさんの価値を持っている。だからこそ、頼りにされ、期待され、彼がいることが価値になる。周りの友人も、「かっこいい」とか「美人」とか、いろいろな価値を求めているし、移り気でもある。主人公の前田や野球部のキャプテンは、価値を自分の中に持っている。そう考えると、菊池は移り気がダメなのは知っているけど、自分の中に価値を持つことが大事と知っているけど、うまくそうできないというか。他人から見たらスーパーマンなんだけど、自分に自信がない。そういうのって意外とあるよね。別に俺はスーパーマンではないけどさ。なんかその混乱がうまく伝わってきた。