普遍論争

こういうのってわかりにくい。どっちでもいいだろって思ってしまうが、当時の貴族とかに取っては大変な問題だったんだろうな。
普遍とは個物に対する普遍のことで、プラトンのいう「イデア」的なものが実在するか、それともただの名目にすぎないのかという論争で11世紀ころから活発になりました。前者の立場を実在論と呼び、アンセルムスがこの説を主張しました。この考え方は信仰を理性の上に置くもので、カトリック教会が人類の救済を行うという立場に由来するものでした。後者の立場を唯名論(名目論)と呼び、アベラール(妻エロイーズ)は理性を信仰に先行させつつ、両者の調和を主張しました。13世紀になるとトマス=アクィナス(主著「神学大全」)がその調和的立場を完成させ、スコラ学を体系化しました。14世紀になるとウィリアム=オッカム名目論を主張して信仰と理性の分離を主張したため、スコラ学は衰退していきます。