「受験世界史」の忘れもの

世界史のおもしろい部分をいくつか著している本。エピソードとしては使えるものが多かった。授業の構成にも組み込めるものがあったので、少し参考にしたいと思った。
よく学習指導要領なんかで、「基礎的・基本的な事項」とか「基礎学力」とか言われたりするけど、世界史にとっての「基礎的・基本的な事項」ってなんだろなってよく考える。なにを学ばせなければならないのかが、わからなくなってくる。「三十年戦争講和条約ウェストファリア条約」って憶えるのが大事なのか、「三十年戦争後のウェストファリア条約によって、主権国家体制が確立した」を知っていることが大事なのか、「ウェストファリア条約によって教皇・皇帝による超国家的な統一が不可能になったから」ってことまで知っているのが大事なのか、「スイス・オランダの場所がわかる」ことが大切なのか、こういうのは難しいなと思った。
「受験世界史」って書いてあるけど、単語だけで授業をやっている人は少ないと思うし、何より「生徒自身が学ぶ」ことも重要だなと思った。学習意欲があれば、おもしろくない教科はかなり減るはず。高校生で受験までするのに、「おもしろくない」って。面白さがわかるほど、勉強してないだけだろって言いたくなる。その辺が甘いなと思った。