「受験世界史」の忘れもの
- 作者: 井野瀬久美恵
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 1994/03
- メディア: 文庫
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よく学習指導要領なんかで、「基礎的・基本的な事項」とか「基礎学力」とか言われたりするけど、世界史にとっての「基礎的・基本的な事項」ってなんだろなってよく考える。なにを学ばせなければならないのかが、わからなくなってくる。「三十年戦争の講和条約はウェストファリア条約」って憶えるのが大事なのか、「三十年戦争後のウェストファリア条約によって、主権国家体制が確立した」を知っていることが大事なのか、「ウェストファリア条約によって教皇・皇帝による超国家的な統一が不可能になったから」ってことまで知っているのが大事なのか、「スイス・オランダの場所がわかる」ことが大切なのか、こういうのは難しいなと思った。
「受験世界史」って書いてあるけど、単語だけで授業をやっている人は少ないと思うし、何より「生徒自身が学ぶ」ことも重要だなと思った。学習意欲があれば、おもしろくない教科はかなり減るはず。高校生で受験までするのに、「おもしろくない」って。面白さがわかるほど、勉強してないだけだろって言いたくなる。その辺が甘いなと思った。