ヴェニスの商人の資本論

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

ヴェニスの商人の資本論 (ちくま学芸文庫)

資本主義について考察したエッセイ?(なんて簡単なものではないが)集。書き下ろしの「ヴェニスの商人資本論」という題名に惹かれて、ヴェニスの商人とともに買った。ヴェニスの商人構造主義的に分析し、そこに含まれていた交換を基礎とした体系を見いだし、貨幣へと結びつけていく過程は非常におもしろかった。他のエッセイも資本論を基にした分析や貨幣論、不均衡動学などといった内容で、「ヴェニスの商人資本論」は導入としてはとても合っていた。
素人目ながら、不均衡動学では、以前読んだ「非対称情報の経済学」と似た面があるなあと思った。不均衡動学を基にして、非対称情報の経済学があるのかなとも思った。後半の書評は正直難解だった。とくに最後の2つ「意味の変容」と「貨幣と象徴」の書評はよくわかっていない気がする。