田母神さんについて

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/081111/plc0811111125017-n1.htm
アパグループの懸賞に応募した論文「日本は侵略国家だったのか」を読みました。まあとりあえずはこの人の考えが正しいとか間違っているとかよりも、この論文について。正直がっかりするような内容でした。大学生のレポートでももう少しましなモノを書くと思う。これで最優秀賞だと、どれだけ他のレベルが低いのか想像がつかない。基本的に出典はほとんどなく、いくつかの断定的な表現については論理の飛躍がみられる。例えば第2段落半ばの「蒋介石コミンテルンに動かされていた」とか、5ページ目下部の「実はアメリカもコミンテルンに動かされていた」とか、なんだかコミンテルンがすごく聡明で、思い通りに世界を動かしていたように書かれている。もしかしたら自明のことなのかもしれないけど、私は無学なためわからない。また論理的に構成されておらず、結局何がいいたいかもわからない。「日本は侵略国家だったのか」という壮大なテーマを掲げているのなら、せめて「どうしたら侵略国家と呼ぶのか」くらいは明確にして欲しかった。ただ「侵略国家じゃない」と騒がれても、その意味は全く伝わらないし何をいいたいのかもわからない。書かれた主張のうち1つ2つ選んで、それについてしっかり論じたほうが説得力があったと思う。
何よりショックだったことは、この論文を書いた人が自衛隊航空部門のトップだったということ。俺絶対この人に文書直されたら、イライラしそう。
私は日本を誇りに思っているし、第二次世界大戦についても、当時の政府にとってはよりよい選択だったのだと信じたい(政府が聡明かどうかは別だが)。ただ日本を誇りに思うことと、第二次世界大戦を反省することは違う。たとえよりよい選択をしたとしても、生じた問題は数多く、それについては改善するよう心がけるのが国家の役割だと思う。
今回の処分は、学校の先生が君が代歌わないで懲戒受けるのと同じ理屈だと思うのよ。だから田母神さんのケースを「やりすぎだ」といっている人は、君が代歌わない先生が懲戒受けるのも「やりすぎだ」って言わなきゃいけないと思う。田母神さんは右で、君が代歌わない先生は左だから、なかなか難しいと思うけど。