最近のニュースから感じたこと

遠隔操作ウィルス事件
 4人の誤認逮捕につながった遠隔操作ウイルス事件で起訴されていた片山祐輔被告(32)の公判が5月22日、東京地裁であった。片山被告は罪状認否で「全部事実です」と述べて起訴内容をすべて認め、誤認逮捕された人などに謝罪した。佐藤弁護士は公判後の会見で片山被告について、「悪魔が仮面をかぶっていた」と述べ、彼を犯罪に駆り立てた「社会がかかえている悪魔」を解明すべきと訴えた。

 まず、これ。保釈後の警察の行動について、いろいろと書いたブログを見た。いくつか思ったことを書くと、まず保釈後の被疑者の行動を観察し、何かを埋めたことに気づいたのにメールが届いたあとにスマートフォンを掘り出したこと。ある意味犯行を誘導しているかに見える。まあ普通は誘導されないが。これについては決定的証拠を挙げるためだと言える。なぜそんなものが必要かは後述する。
 次に、この事件は「えん罪だ!」としてたくさんの人が片山被告を支援していた。江川紹子さんとか。俺は最初からえん罪じゃないと思っていた。別に自慢じゃなくて。それは事件の内容とか分析とかそういうレベルじゃない。単なる「印象」で。つまり「見た目で判断していた」という、ある意味最悪な判断。けどそういう印象を持った人は多かったと思う。彼はその場に合った表情をするのが苦手な感じだったから。だから、「人柄の印象」が悪かった。江川氏らはそれに気づいてた。けど、彼を信じた。もし彼の「人柄の印象」が悪かったのに片山被告を支援していたとしたら、すごいと思う。性善説にたち、彼の誠実さを信じたから。
 さて、次のニュース。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140604-00000083-san-soci
栃木、茨城両県警の合同捜査本部は3日、勝又拓哉容疑者の逮捕発表会見で「刃物で胸部を多数回突き刺した」と残忍性を強調した。力の弱い女児に対し、手足を粘着テープで縛った上で、胸を集中的に十数カ所刺した特異な事件。被害者の所持品や凶器は見つかっておらず、今後の捜査の主な焦点は客観的証拠の発見と動機の解明だ。

 この事件は、証拠が見つかっていない。なぜ犯人が見つかったかというと、自供だ。つまり自供したから、犯人として報道されているということ。推定無罪はどこへやら…。まあそれはおいといて、警察は別件で逮捕して、その取り調べで自供したとのこと。警察は、この事件の犯人と予測して別件で逮捕したのか、自供は勝手に始めたのか引きずり出したのか、疑問だが。

 上2つのニュースは、警察の行動で似ているとこがある。それは「この人が犯人だろう」と予測し、自供を引き出したり、スマホを埋めるのを引き出したり、していたとこだ。まあ自供はどっちだか明らかではないが。これらは何か決定的な証拠があるわけではなく、すべて警察側の主観の可能性が高い。推定無罪というより、推定有罪だ。これっていいの??
 俺個人としては、問題ないと思っている。なぜなら、「サイコパス」とか難しいことではなく、「普通に平気で嘘をつける人」は結構いるからだ。そういう人はその嘘がどれだけの人を傷つけるかなんて、気にしない。人としてどうか、とかって気にしない。そういう人は高校にも結構いる。精神病とか発達障害とか、そういう問題でもない。まあそういう「レッテル」を貼ることはあるかもしれんが。だから推定有罪で動き、決定的な証拠を出すまで泳がすしかない。
 「平気で嘘をつける人」はなぜ生まれるのか、それは個性だったり家庭だったり、社会だったり、それぞれ。ひとくくりにはできない。問題は「そういう人が一定数いる」ということ。そういう人が犯罪を犯した場合、もちろん「平気で嘘をつく」。から、証拠がなければ正直にはなかなか言わない。今回のようにえん罪だ!っつって親身に支えてくれたとしても、言わない。だって気にしないし。だから昔は警官の勘などから被疑者を割り出し、取り調べで脅したりなだめたり繰り返すことで、自白させるって手段が常態化したんだと思う。その反面、えん罪は作られた。
「取り調べ可視化」をすれば、そういうえん罪は減ると思う。けど、「平気で嘘をつける人」に自白させることは不可能となる。決定的な証拠が発見できない凶悪犯罪もあり得るだろう。そういうときどうするか。「疑わしきは罰せず」として社会が受け入れるのか。もし受け入れるならば、その責任は社会が負うしかない。たとえ警察が犯人を逮捕できなくても、被害が拡大しても、それは警察の責任であると共に、地域社会の責任でもあるのだから。

そんでもう一個ニュース。

STAP細胞問題
新型万能細胞とされる「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が、論文2本のうち主要な1本の撤回に同意したことが4日、分かった。補足的な1本はすでに撤回に同意しており、掲載した英科学誌ネイチャーが2本の取り下げを認めれば、STAP細胞の研究成果は白紙に戻る。

 STAP細胞で作られたマウスが論文と違うものだった、というニュースのあとの記事。もしマウスをすり替えていたとすれば、小保方さんの先日の会見は茶番だったということになる。彼女がどのような人だったかは全く知らないが、もしSTAP細胞がなかったとなると、彼女は「平気で嘘をつける人」となるだろう。しかも「いつかは嘘とばれる嘘」。けどたぶん彼女は元々は普通の天才だったと思う。それが環境??かなんかによって変わってしまった。そういや佐村河内守って人もいた。ね、結構「平気で嘘をつける人」っているんだよね。

 そういや1つ疑問。なぜ警察は片山被告を監視し続けなかったのだろう。あの状況なら自殺していてもおかしくなかったと思うのだが…。予測していなかったらバカだが、予測していて放置したとしたら恐ろしい。