エーゲ文明

前2600年頃にエーゲ海域で成立した文明。農業に適さない土地であったが、海上交通による通商や手工業が発達し、オリエント世界との接触に適していたため、高度な文明が発達した。シュリーマン(ミケーネ文明)やエヴァンズクレタ文明)によって発見された。

クレタ文明

オリエント世界の影響で青銅器文明が展開し、海上貿易が栄えて、クレタ島の人々は最古の通商航海民となった。前2000年頃にクノッソスなどに宮殿が建てられ、それを中心に都市が発達した。伝説によれば王ミノスは強大な海軍でエーゲ海の島々を支配していた。
特色として、①美術面でメソポタミア等と違い、明るく洗練された世界が描かれている ②城壁がなく、軍事よりも祭典や経済に没頭していた ③文字も発明されていた(線文字A→まだ解読されていない) などが挙げられる。

ミケーネ文明

アカイア人が成立させた文明で、クレタ文明を滅ぼしたという説もある。クレタ文明との違いは、①文化的に非常に戦闘的 ②堅固な城壁を巡らしていた ③美術はクレタの模倣だがやや劣る ④線文字Bの発明(ヴェントリスが解読) ⑤英雄叙事詩が残っている(ホメロスイリアス」「オデュッセイア」) という部分である。
前12世紀頃にギリシア人の一派ドーリアが南下し、諸王宮は破壊されて鉄器時代に入った。ドーリア人は原始的で素朴な種族であったため、ギリシア史は素朴な段階から再出発をはたすことになった。