クローズアップ現代−タリバン復活の脅威−

ふと同時多発テロの頃を思い出した。アメリカ国内の異常なほどの熱気、正常は判断なんかできなかったのだろう。一体誰が当時のアメリカを止めれたのか、現実として考えると不可能に近いのかも。ただ残念ながら振り上げた拳を振り下ろしたところで、状況は改善されていなかったわけだ。
アフガニスタンは戦争に負けないことで有名だった。その最貧国に一発数億?数十億のミサイルを落としはしたが、それが誤爆という形で人々の不満を募らせ、タリバンを復活に導いた。アヘンや大麻を栽培している農村の様子をみると、この間アフガニスタンで殺害された日本人NGOの活動の重要さがわかる。まさに貧困を解消しなくては、テロもくそも止まなかったわけだ。7年たった現在、多くの識者の予想通り、アメリカは苦戦し、混迷している。
泥沼に足を引き込まれているアメリカは、方向を転換するしかないのかもしれない。地道な活動を行って対テロ戦争という力の圧力を弱めるか、はたまたさらに泥沼にはまるか、最後にプライドもかなぐり捨てて、まさにソマリアのように撤退するか。残念ながら南アジアはアフリカほど安全(あくまでアメリカにとって)な地域ではないので、アフガニスタンが失敗国家となってしまうとと、パキスタン情勢やら中央アジアやら、はたまたイランやらがより不安定になることは明白だが。
現在のアフガニスタンは、都市の復興は進んでいるらしい。なかなか難しいことかもしれないが、都市と都市を結んでもそこを支配したことにならないことは、日中戦争期の日本が学んでいるはずだ。農業を基盤として成立している国家は、都市よりも農村を優先すべき?まではいかなくても、同時に少しずつ復興させていくべきだったのかもしれない。残念ながらその都市と農村の格差も、農村の人々をタリバンに走らせているようだし。
今後のアメリカの行方、大統領選挙も併せて、どう変化するのか観察しないといけない。