リスクの問題

学校にはたくさんのリスクがある。それはあくまで学校が生徒を預かる機関だから、学校の責任で生徒を保護しなくてはいけないからだろう。ただその責任は無限ではない。あくまで一定の範囲内で。ただ現在の学校は、そのリスクを避けているように思う。リスクとは本来避けるべきものではなく、あくまでコントロールすべきものであると思うが。
例えば何かをやるとしたら、必ずリスクはある。だから「んじゃどうすりゃできるだろう」という話になるはず。ところがリスクをおそれるあまり、「それでは○○の危険がある」っていう話になり、何もできなくなる。こういうケースがすごく多い気がする。昔は管理職が「俺が責任とる」ということで進められたけど、今は本当に責任をとらなきゃいけなくなってきたから、管理職もリスクを避けがちだ。
んじゃなんでみんなリスクを避けるようになってきたか。私は懲戒が厳しくなってきているからだと思う。厳しい懲戒が待ち受けているため、教員がそれを避けようとしか考えなくなってきているのだ。そのため学校の動きはひどく保守的となり、新しい行動を起こせなくなっている。
学校はその存在自体が矛盾していたと思っている。法律で「体罰」は禁止されていたが、昔は生徒を殴る先生も多かった(俺もよくやられた)。ただそれで教えられた面もたくさんあった。家庭の教育力は格差が激しいので、それを学校で調整しようとしていたのかもしれない。このような形で、公教育でありながら家庭の側面も担うという矛盾を抱えていたんだ。もちろん矛盾点は他にもたくさんあったろうけど、その矛盾をつかれると学校は脆かったわけだ。
別に体罰がよかったといっているわけではない。ただ現在の学校の状況と求められている役割には、かなりのズレがあるのではないかなと思うのだ。学校は昔の学校でないのだから。