狂気①−闇サイト殺人事件

http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009031801000202.html

名古屋市の会社員磯谷利恵さん=当時(31)=が2007年8月に拉致、殺害された闇サイト事件で、名古屋地裁近藤宏子裁判長)は18日、強盗殺人罪などに問われた3被告のうち、元新聞セールススタッフ神田司(38)と無職堀慶末(33)の2被告に死刑、無職川岸健治被告(42)に無期懲役を言い渡した。求刑は全員死刑だったが、川岸被告については自首が成立していることを評価した。

このニュースをみて、死刑についてwikipediaで調べてみた。死刑には「一般予防説」(犯行を思いとどまらせる)と「特別予防説」(社会から排除する)という考えがあるみたいだった。このあたりは予想通り。結構意外だったのが、応報刑(復讐みたいなもの)は原則とされている(ここも予想通り)のに、結構応報刑的な側面もあることだった。死刑の基準(永山基準)ってのもあるようで、一応それに基づいて判決を下しているとのこと。少し気になったのが、死刑判決が最近多いなという点と、この事件が残虐かとうかという点。そこについてもwikipedia(愛知女性拉致殺害事件の備考)に載ってた。「加害者に情状酌量すべき事情もなく、犯行態度も悪逆かつ反省もせず更正の可能性が見出せない場合には、被害者の数よりもこれらの事情が優先する。そのため犠牲者よりも多くの者に死刑が確定する事件は取り立てて珍しいものではない。」だそうです。
フーコーが述べているようにエピステーメーは変化するものであるから、その時代の社会的状況をふまえて下された死刑判決は判断が難しいものだと思う。例えていうならば、「残虐性」ってのはどういう基準ではかるものなのか、「社会的影響」というのはどういうものを指すのか(しかもこれについては事後判断しかできず、社会的影響が大きそうという推測の域をでないと思う)、「犯行後の情状」というのはどういう基準で考えるべきなのか、その境界を決めることが困難だと思う。しかも死刑の場合だと、執行後にそれを回復できないわけで。
もちろん被害者遺族の方々の感情はとても理解できるし、私自身もし同じ立場だったら、同じことを主張したと思う。ただ裁判の判決については、いろいろ考えさせられた。もし知り合いに裁判官がいたら、間違いなく聞いてしまうだろう。たぶん答えてもらえないだろうけど。