リンカーン

 非常に有名なアメリカの大統領リンカーンの話。内容はリンカーン奴隷解放宣言をした後に、合衆国憲法修正13条を可決するまでがストーリー。
 世界史の教科書だと、奴隷解放宣言とゲティスバークの演説に重点を置いていて、修正13条はそうでもないかも。ただ現実としては、奴隷解放宣言は法的になんら根拠がなく(だからか、リンカーンは「独裁者」と非難されていた)、実際に法として残さないと意味がなかったのだろう。その辺りの調整というか、駆け引きというか、が描かれている。この調整の切迫感と、南北戦争リンカーンの家庭、など同時に描かれており、ラストは泣きそうになってしまった。
 実際リンカーン奴隷解放にはそこまで積極的ではなかったと言われている。奴隷解放が目的だったのか、手段だったのか。だいたい歴史的事象は、後世から後づけのように、手段として描かれがち。もちろん根拠を求めるのは大事なことだけど、映画を見て、そんなに単純に割り切れるものでもなかったんじゃないかなぁ、と思ってしまった。もともと南北戦争を有利に進めるための奴隷解放宣言だったんだけど、そこからは修正13条の成立が目的となり、南北戦争を手段としていった、なんてことも考えられるのかしら。この映画を見て、そんな風に思いました。
 踊らされたかな?