世界を動かす石油戦略

世界を動かす石油戦略 (ちくま新書)

世界を動かす石油戦略 (ちくま新書)

 「アメリカが中東に政治介入するのは石油のためだ!」と一時期、下手したら今でも言われるが、「それは意味がちと違う」という内容。もちろんそういう面もあるけど…、まず石油価格の決定権はアメリカもOPECも持っていない(ようは市場価格)ということと、中東の政治的バランスが不安定になってきた(イスラーム原理主義サウジアラビアとイランをどうする?)ということとか、今後のエネルギー事情について。
 結構前の本なので、内容は古いかと思うが、原発事故後の現状を考えると、もっと早めに考えとけよ!って思ってしまった。日本の天然ガスの扱いなんかも、ロシアから引っ張るのも朝鮮半島から引っ張るのも、現状としては夢物語の域を出ていないし。どんだけだと思う。エネルギーの多角化という点からは、原発事故前も原発事故後も、結局なんら対策がとられておらず、変わっていなかったわけだ。日本って港湾行政も空港行政もそうだけど、国家全体の経済?政策的なの考えてないのかねぇ。
 この本に書いてあるけど、逆に中国の国策ってすごいよね。まあ共産党一党独裁スクラム組んで対応できるからかもしれないけど。前NHKSPで見た中国の石油戦略とかも、国家ぐるみでスピーディーに、利益度外視で進むから。まさに突撃!!まあいいんだか悪いんだかわからんけど、ある意味ですごい。